モンゴルで日々奮闘していた協力隊員の日記

H26-2青年海外協力隊員(職種:青少年活動)として、モンゴルで2年間活動していました。

「娘さんをください!」

モンゴル人の男友達が、彼女の実家に結婚の申し込みをするというので、一緒についていかせてもらいました。

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(春のモンゴルは、ところどころ「しましま大地」。黒い部分が小麦粉を今年小麦粉を植えている大地。黄色い部分が、去年植えたので今年は休みの大地)


彼女の実家は、モンゴルの北部からロシアのバイカル湖のあたりにかけて住んでいる部族、「ブリアット族」です。


因みに、モンゴル人の8割は「ハルハ族」です。


家族一同が揃い、若干の談笑や軽い食事をした後、いよいよ緊張の瞬間です。


彼氏側の両親が立ち上がって、なんやかんや言って、

「娘さんをください!」


そしたら、彼女側の人が

「この場に、娘がいないよ。娘を探してきて。」


確かに、その席に彼女がいませんでしたが、探してきてって?えー?


???の私をよそに、彼氏側の家族が立ち上がりました。

「娘は、暖かい所にいるよ。」

ヒントだけもらった私たちは、彼女の名前を呼びながら、家の隅々、外に出て、トイレの中、ゲルの中、車の中、トランクまで開けて探す探す…。

大の大人が、皆でかくれんぼをしているようです。


なかなか見つけられないでいると、

彼女の家族に、

「1時までに探せないと、出直してもらうよ。」

と言われました。


日本も同じですが、モンゴルでも11時〜1時を「午(うま)の刻」と言い、それが縁起の良い時間帯らしく、


その間に娘を見つけないと、娘はやらないよ


とのこと!


ブリアット族は、必ずこの慣習を行ってから結婚を認めるそうです。


そうして、探すこと30分…


「ギブアップ!」


ついに私たちは、彼女を見つけられませんでした。


ああ、出直しかぁ…


と思っていると、



娘さんが出てきました。Σ( ̄。 ̄ノ)ノ


さっきのは、冗談だったようです。


どこにいたの?と聞くと、家を囲っている柵の外にいたということ。その時期は、まだ冬の寒い時期だったので、全然暖かい場所じゃないじゃん!と一人突っ込みしてしまいました。そりゃ見つからないよ。


娘さんも出てきたことだし、仕切り直しです。彼氏と彼女も参席して、もう一度、彼氏側の家族が「娘さんをください」とお願いし、無事okをもらうことができました。


大変だったのは、その後です。


それぞれの前に、小さいグラスが置かれて、液体が並々注がれます。


水みたいー!\(//∇//)\

いいえ、これはウォッカです。


ブリアット族はまた、お酒を沢山飲むことで有名な民族で、グラスが空いていなかったら、「次の人に注げないから、早く飲んで」と怒られます。


私を飛ばして注げば良いじゃない!

その理不尽な理由はなんだ!

と、言う勇気もなく、ガブガブ飲ませれ、歌わされ…気がついたらベッドに倒れていました。


私は昼の3時ごろに、家に搬送されましたが、他の人達は、夜の7時ごろまで飲んで歌ってしていたそうで、モンゴルの人は強いなぁと思いました。


こういう面白い慣習、どんどん体験していきたいですね。もちろん、ウォッカ抜きでね。